開発途上のエピソード

 2017年、『SGEM』プロジェクトが立ち上がった時のコンセプトは非常にシンプルなものでした。イーサリアム上で鉱石トークンを採掘し、宝石NFTをメインで扱う経営シミュレーションゲームを作り、ゲームの遊び方やロジックはブロックチェーン上で検証しようと考えていたのです。また、初期段階でユーザーがゲームを理解しやすくするために、『SGEM』はメールでイーサリアムウォレットを自動的に登録し、ブロックチェーンゲームの世界に入りやすくする革新的な取り組みを行いました。

 しかし、市場の変化とともに、イーサリアムの性能は厳しい局面に直面し、同種ゲームのクオリティも段々高くなってきました。『SGEM』の最初のデザインでは拡張性が見込めなくなってしまったのです。そこで、私たちももう一度最初のアイディアを練り直し、2019年には、『SGEM』を「コア資産をチェーン上に保管できるブロックチェーンゲーム」へとアップグレードしました。この時点で、「採掘して宝石を作る」ゲームは、OREを基本通貨にし、タワーディフェンスなどの既存の遊び方と組み合わせた新しいゲームへ進化しました。それが『SGEM City』(SGEMに組み込まれたゲーム)の原型となっています。この段階においてはゲームコンテンツが充実していたため、多様なゲーム資産を作れるようになりました。これに経済モデルを組み合わせることで、『SGEM』基本の経済循環システムを構築したのです。

 『SGEM』の外部システムの設計の際にさらに市場の別の変化に気づきました。当時、多くのゲーム開発者は既存のゲームには将来性がないと考えブロックチェーンゲームに目を向け始めたのですが、まさにブロックチェーンゲーム業界の入り口に立ったときに方向性を見失い、どこから手を付けたらよいのか分からなくなっていました。確かにブロックチェーンゲームと既存のゲームを比べると多くのコンセプトの違いがあるため、その基礎的な設計や体験は革命的だったといってよいでしょう。私たちもブロックチェーンゲームに最初期に注目し、実際にある部分においては同じ経験をしていたものとして、同業者の困難はよく分かりますし、何か助けられることがあればそうしたいと思っていました。私たちが『SGEM』をブロックチェーンゲームのプラットフォームとして開放し、同業者にトークンエコノミーシステムの重要なアイデア、完成された開発エンジンとツール、さらにユーザーコミュニティの運営とサービスのアイデアを提供すれば、Win-Winの状況になるのではないか?開発者が『SGEM』の豊かなエコシステムに加わってくれれば、『SGEM』は同業者の参考になるし、サポートもできるはずだと考えたのです。これらを基盤にして、私たちはコンセプトを再構築し、『SGEM』を「デジタル宝石(NFT)を作り、ゲームの世界を体験することをテーマにした、ブロックチェーン上の仮想エンターテインメント空間」としました。

 『SGEM』の歩みを振り返ると、運に恵まれたと感じています。イーサリアムで始めた当初は、ゲーム内容がシンプルで、製品にも改善しなければならない部分も多くあったにもかかわらず、熱心なプレイヤーたちがずっと私たちに貴重な意見と励ましを与えてくれました。今まで見放さないでいてくれたのです。

 プレイヤーの皆様のご愛顧に感謝いたします。皆様の『SGEM』へのご支援は、私たちが前進するための大きなモチベーションになっています。

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