ブロックチェーンと宝石

ジュエリー業界はブロックチェーン技術を実用化しておらず、NFTがチャンスを提供

 世界有数の経営コンサルタント会社であるマッキンゼーは、レポート「ジュエリー業界2020今後の展望」の中で、世界のジュエリー市場の年間売上は毎年5〜6%で健全な発展を遂げ、2020年には総額2,500億ユーロ(約33兆円)に達したと指摘しており、ジュエリーへのニーズが非常に大きいことを示しています。

 インターネットが「情報の時代」から「価値の時代」へ進化するにつれて、仮想世界でも人々は自分のアイデンティティと価値のアピールが必要になり、それが仮想宝石へのニーズを生んだといえます。そして、「CryptoKitties」が大ヒットした際に、NFT(非代替性トークン)の大きな可能性へと繋がったのです。私たちは、NFTがジュエリー領域で脚光を浴びるのは時間の問題だと考えており、この2年間のNFTの発展は私たちに大きな自信を与えてくれました。

 実際、2021年最初の3ヶ月間で、NFT市場価値は1785%成長し、第1四半期の売上高は20億ドル(約2280億円)を超え、前年同期比で20倍に増加しました。これは、NFT資産が「仮想経済」のコア資産として市場に認識されていることを示しています。私たちは宝石NFTがNFT市場に新たな刺激を与えてくれるものと信じています。

将来の宝石はラグジュアリー商品ではなく、テクノロジーになる。

 インターネットの発展に伴い、仮想アイテムは流通・携行・共有のしやすさ、消耗しないことなどが理由で、若い世代の消費者を中心にますます人気を集めています。宝石と仮想アイテムが次元の壁を越えて一体化し、将来の宝石は単一の形と機能をもつものから既成概念を覆すデジタル宝石へと変化し、新たなニーズを切り開くことでしょう。

 将来は、大手ジュエリーブランドによる宝石市場の独占状態が打ち崩されるはずです。ブロックチェーン技術を応用し、誰もがインターネットでオリジナルの仮想宝石を作ることができるようになり、宝石はラグジュアリー商品ではなくなるからです。その時、実体としての宝石と仮想宝石それぞれにはより深い文化的意味合いと思い入れが与えられ、互いにそれを持つことの喜びや価値が補われるようになります。

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